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独占生中継!第81回アカデミー授賞式
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第81回アカデミー賞総評
今年も2月に開催された第81回アカデミー賞授賞式。今回、アカデミー側がさまざまな新企画を執拗(しつよう)なまでに守り通していたが、ここ数年の授賞式の中で、一番華やかでエンターテインメント・ショーであった。(by Addie Akemi Kohzu))
本年度のアカデミー賞は、昨年の記録的な低い視聴率を受け、大掛かりな化粧直しが行われるということで、その内容は最後の最後までベールに包まれており、司会のヒュー・ジャックマンが歌って踊る……ということ以外はほとんど何もわかっていなかった。レッドカーペットで元オスカー受賞者のベン・キングズレーを見かけたときも、なぜ1983年度の主演男優賞受賞者が招待されたのだろう? と疑問に思ったものだ。
さて、アカデミー賞の幕が上がってまず目を見張ったのが、ステージ天井からたらされた、重さ約3トン、丈約18メートル、長さ約30メートル、10万個のクリスタルの粒からなるまばゆいばかりのトリミング・カーテン。ブルーを基調としたライティングを反射してキラキラと光っており、本当に美しかった。

ヒューの初司会としてのホスト振りも予想以上に素晴らしかったが、今年アカデミー賞が試みた一番のアイデア賞は、主要部門各候補者たちの紹介の仕方にあった。

今までは、前年の受賞者のみが壇上に上がってその年の受賞者を発表するという方法だった。だが今年から導入された新しい演出では、歴代の受賞者5名が壇上に勢ぞろいし、歴代受賞者が今年の候補者を一人ずつ担当して非常に親近感のある祝辞を送り、そして候補者の紹介を行うというものだった。この紹介の最中に涙ぐんでいた候補者も少なくなく、視聴する側も非常に感動できる演出だった。

私的でハートウォーミングなアカデミー賞をうたい文句にしていた今回のアカデミー賞授賞式だが、この新しい受賞発表の形式は、本授賞式のシンボル的主柱ともなった素晴らしい演出であり、本年度から製作指揮に任命されて見事な才能を発揮したローレンス・マーク氏とビル・コンドン氏には、賞賛の拍手を送りたい。

さてアカデミー賞の受賞陣についてだが、ひっくり返るような番狂わせはなかったものの、主要部門の中で少々意外だったのは、ショーン・ペンの主演男優賞受賞と、最多ノミネーションだったにもかかわらず、肩透かしも最多になってしまった、「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」の受賞数の少なさだった。

主演男優賞については、賞レース後半に入り、デッドヒートを繰り広げるのはミッキー・ロークとショーン・ペンだとうわさされていた。数週間前に行われたSAG(全米俳優組合)アワードではショーンが主演男優賞を受賞したが、往々にしてアカデミー賞へ直結すると評判のイギリスの英国アカデミー賞ことBAFTAの主演男優賞はミッキーが受賞したことを受けて、アメリカのアカデミー賞はミッキーが受賞するのでは……と思っていた関係者も少なくなかった。

だが、「ミルク」でのショーンのパフォーマンスは、アカデミー賞に値するほどのものだった。ショーンの役どころは、アメリカで初めてゲイであることを隠さずにサンフランシスコの議員として当選し、その後キャリアの頂点で暗殺されてしまったハーヴェイ・ミルクという実在の人物。ゲイ公民権問題だけでなく、正義と人類平等の尊さを語った同作品は、ショーンを筆頭に助演陣のジェームズ・フランコやエミール・ハーシュも、助演男優賞にノミネートされていておかしくないほどの素晴らしい演技を見せていた(「ミルク」からの助演男優賞のノミネーションはジョシュ・ブローリンのみ)。もしも今年「スラムドッグ$ミリオネア」がなかったら、作品賞も監督賞も「ミルク」が受賞したかもしれないと思うほど、秀逸した作品である。

終わった後にはリラックスした表情も!
こんなにも温かい雰囲気での受賞に喜びもひとしお
残念ながら受賞を逃したミッキー
壇上で喜びを分かち合う「スラムドッグ$ミリオネア」ご一行
今年のアカデミー賞を振り返ってみると、ほかの映画賞で予想されたように「スラムドッグ$ミリオネア」の独走という感もあって、タイクツだと思われた方もいるかもしれない。だが、この作品が普段のアカデミー賞作品とは異なり大スターが出演していないばかりか、話の舞台はインドのムンバイにある世界的に貧困で有名なスラム街。地元の貧しい子どもたちを出演させ、インディーズ作品として製作した映画であるということで非常に興味深いものがある。

この映画をきっかけに、「スラムドッグ$ミリオネア」に出演した貧しい子どもたちが、地元で学校に行くチャンスが与えられ、ムンバイの観光産業も盛り上がりを見せ始めているという。どちらもうれしい話であり、映画が困難な生活を強いられている貧しい世界に一筋の希望の光を投影できるのは、とても心が温まることだ。

レッドカーペットでも余裕の表情を見せるダニー・ボイル監督
私生活でもうわさが!? 幸せイッパイの主演の2人
最後になったが、映画ファンのみならず日本人なら感動せずにはいられない、「おくりびと」と短編アニメ作品「つみきのいえ」での日本勢ダブルアカデミー賞受賞の話題である。

これまでのサムライに着物……という日本映画のステレオ・タイプ的なワクから飛び出し、日本ならではの感性で万国共通の思いを語りかけた両作品。彼らのオスカー受賞をきっかけとして、世界の日本映画へ向けるまなざしが変化・向上し、これから日本映画界の新しい時代が始まるのではないだろうか。

世界的な不況など暗いニュースが多いが、きらびやかで娯楽にあふれた今年のアカデミー賞は、まさにザッツ・エンターテインメント! 暗雲を吹き飛ばし、一瞬憂いを忘れ、娯楽たるものこうでなくてはいけない! という気持ちを思い出させてくれた素晴らしいショーだったと言えよう。

授賞式後、喜びの会見!
まだ放心状態です……
レッドカーペットで堂々とした姿の広末
晴れ姿の加藤監督、英語スピーチで笑いをとりました!
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