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トクソウ

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インタビュー

今ある現実をエンターテインメントにして、僕たちキャストが生の演技で演じました。

Q.最初に本作の台本を読んだときはどう思いましたか?

A.僕もニュースでは東京地検特捜部という言葉をよく聞いていたんですが、その“トクソウ”が捜査権と起訴権の両方をもっているなんて知りませんでした。台本でその説明のくだりを読んで、率直に「それは怖いな」と思いましたね。僕が演じる検事の織田には辛い過去があって、彼はそれにこだわっているからこそ、強引な捜査をする検察組織の中でも自分の正義を曲げずにいられる。そんな織田の物語を通して、観る人に「正義とは何か?」と考えてもらえたらいいなと思いました。

場面写真

Q.撮影で苦労したことはなんでしたか?

A.今回の現場は、瞬間瞬間の空気感というか、演じ手と、監督やカメラマンはじめスタッフがその場に集まった時に生まれるものをできるだけそのまま撮りこんでいこうとするスタイルでした。リハーサルやテストを重ねて、じっくり作り込んでいくやり方とはまた違った緊張感がありました。その感じがドラマの緊迫感つながるといいなと思っています。

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Q.上司の鬼塚を演じる三浦友和さん、元恋人・智子役の真飛聖さんとの共演はどうでしたか?

A.僕にとっての三浦さんは、共演した『ALWAYS 三丁目の夕日』の宅間先生なんです。だから今回は鬼塚をどう演じられるかなぁと思っていたんですが、現場で会ったら「今度いつ飲みに行く?」なんて以前と変わらず話しかけてくださる。でも、いざ撮影が始まると独特の迫力があって、ドラマの中とはいえ三浦さんと対決するなんて初めてなので、ちょっと緊張してしまいました。真飛さんは初共演なのに壁を作らず接してくれて、そのさっぱりした性格が男社会で働く智子の役にぴったりだと思いました。

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Q.吉岡さんの主演作としても新しい作風のドラマになりそうですね。

A.僕にとっても新しいジャンルですが、日本では珍しいドラマですよね。ここまで検察の裏側を見せてしまうなんて、社会派に定評のあるWOWOWにしかできないことだと思います。過去でも未来でもなく、今ある現実をエンターテインメントにして、僕たちキャストが生の演技で演じました。だから、視聴者の皆さんには「ナマモノなのでお早めにお召し上がりください」とおすすめしたいですね。何年か後で観るより放送される今、観るほうが、きっと感じるものは大きいと思います。

権力に酔っている人間たちの暗部を描きながら、最後には本来の日本人の正義と真実の姿が見えてきます。

Q.検察の内部を描く本作の企画を知ったとき、どう思いましたか?

A.私が演じる鬼塚は“トクソウ”の権力とおごりと甘えを象徴する男です。数年前の大阪地検特捜部の失態なども記憶に新しいので、役柄的には想像しやすかったですね。ちょうど徳洲会事件も報道されて、フィクションとはいえ、劇中で5000万円の使途不明金が問題になるのはタイムリーだと思いました。地上波放送では描きにくい題材で、やはりこれはWOWOWならではの企画というところでしょうか。

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Q.トクソウの現場で指揮を執る鬼塚を演じて、
苦労はありましたか?

A.1月にクランクインし、普段は新聞などでしか目にしない専門用語を含む膨大なセリフとの戦いの日々が始まりました。とにかくいつもと勝手が違うのは、アドリブが効かないということ。鬼塚には捜査状況を説明するようなセリフが多くて、そこでは“てにをは”を間違えただけでも、次のセリフにつながらなくなくなってしまう。ほとんど歌を覚えるようにセリフを丸暗記するしかなかったですね。夜中に目が覚めたら頭の中でセリフがぐるぐる回っていたこともありました。

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Q.織田役の吉岡秀隆さんとの共演はどうでしたか?

A.鬼塚と織田の関係は面白いんですよ。鬼塚は自分の若い頃を見るような気持ちで織田に接しているくせに、自分の本心にはなかなか気づかない。吉岡くんにはすごい個性があって、今回の織田役にしても、いったん吉岡秀隆が演じると聞いてしまうと、もう他の俳優は思いつかない。替えがきかないんです。そんな彼とは10年以上の付き合いで、収録の合間に「この撮影は大変だね」と嘆き合ったりしていました。自分たちのことは棚に上げてね。俳優は自分の反省はしないものですから(笑)。

場面写真

Q.最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

A.この物語は、国会議員、ゼネコン、地検特捜部それぞれの権力に酔っている人間たちの暗部を描くものですが、最後には本来の日本人の正義と真実の姿が見えてきます。全5話、それぞれの立場の人間のドラマをじっくりご覧ください。

検察の正義を象徴する“トクソウ”の内実を、このドラマを通して知ってもらいたいと思います。

Q.由良秀之のペンネームで出版した「司法記者」。この小説を書いた経緯を教えて下さい。

A.この小説を書き始めたのは20年前、東京地検特捜部が元建設大臣らを収賄罪で起訴した「ゼネコン汚職事件」の捜査が行われていた頃です。私はそのとき現役の検事でしたが、自分の属する特捜部と司法記者のあり方に「これで良いのか」と強く疑問を感じたんです。守秘義務があるので、実際の事件の中身を書くことには限界があるけれど、フィクションであれば自由に描ける。退官した後も、この小説をなんとか形にしたいと思い続け、ようやく書き上げたのは2011年になってからでした。いざ出版すると、当事者である検事や司法記者から「まさに現実にありえることだ」という反応がありましたね。つまり20年前からずっと特捜部の体質は改善されていないのです。

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Q.今回の映像化にあたっては、どんな気持ちでしたか?

A.小説の執筆中から映像化は意識していました。特に、後半の殺人事件と疑獄事件が交錯するストーリーはそうです。ひとりでも多くの人に知ってもらいたいですからね。実は今回、特捜部長を演じる佐野史郎さんとは幼なじみで、出版前に原稿を読み「これはぜひ映像化してもらいたい。WOWOWのドラマがいいんじゃないか」とアドバイスしてくれました。だから、それが現実になったときはうれしかったですね。地上波のテレビ局であれば、報道部との関係で、これだけ検察に批判的な内容のドラマの放送は難しいでしょう。やはり社会派として定評のあるWOWOWにドラマ化してもらってよかったと思います。

Q.本作では検察監修もしていますが、ドラマ制作にはどのように関わったのでしょうか?

A.特捜部の捜査はこういう証拠があって初めて進展していくとか、検察の内部にいる人間はこんな話し方はしないとか、リアリティを確保するための助言をしました。後半の記者会見の場面では、撮影現場を見学しながら直接アドバイスもしたのですが、そこは私が原作の中でも、特に映像を意識して書いた部分だったので、どのように映像になっていくのか大変興味深く見せてもらいました。役者さんたちが検事になりきって演じている様子にも手応えを感じました。

Q.原作のタイトルは「司法記者」ですが、ドラマでは「トクソウ」となりました。この特捜部と司法記者の関係というのはどういうものなのでしょうか?

A.特捜部と司法記者の関係はいびつで歪んでいます。特捜部の捜査の成果は司法記者に報道してもらって初めて実績を世間にアピールできる。一方、司法記者は特捜検事から情報をもらわないと記事が書けない。他社より早く捜査情報をもらってスクープを書くと記者として評価され出世できる。だから、司法記者は、いつも検察捜査をはやし立てるだけ、検察が暴走して歯車が狂っていっても、ブレーキをかけることができない。そういう構図なので、この作品で描いたようなとんでもない出来事が起こってしまうんですね。

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Q.最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。

A.ここ数年でも陸山会事件の捜査や大阪地検特捜部の証拠改ざん事件など、多くの検察不祥事が起きて、検察への信頼は大きく揺らいでいます。それでもなお多くの人が「検察は正義だ」と信じているではないでしょうか。しかし、検察のような強い権力をもつ機関がいったん暴走すると、想像もできない事態が起こってしまう。それがいかに恐ろしいことか、検察の正義を象徴する“トクソウ”の内実を、このドラマを通して知ってもらいたいと思います。

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