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「トクソウ」の舞台裏

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第1回

MAKING「トクソウ」1 クランクインは検察庁ロケから!

連続ドラマW「トクソウ」は2014年1月8日早朝にクランクイン。

記念すべきファーストショットは、東京地方検察庁が入る東京・霞ヶ関の検察庁前で実際にロケを行なった。吉岡秀隆演じる主人公の織田俊哉が千葉地検から異動し、初めて特捜の検察官として出勤する様子を収録。検察庁関係者が見守る中、カメラマンが乗るレールを敷いての移動撮影もするなど、限られた時間で臨場感ある映像を撮るためにスタッフは奔走した。

この日、現場入りした吉岡は「検察庁」と記された石標を見て「ニュースで何回も見たことがある」と興味津々。「僕が演じる織田を通して、ドラマを観る人に検察のことを知ってもらえればと思います。役者としての義務感を感じます。」と、この場所から特捜検察の内実を描いたドラマが始まるという思いを新たにしていた。

そんな吉岡と初めてタッグを組む河合勇人監督は、「吉岡さんは台本読みの段階でもう完全に役になりきっていました。それが僕にとっても“織田”という人物としてスッと腑に落ちたんです」と全幅の信頼を寄せ、2ヶ月にわたる撮影は順調なスタートを切った。

場面写真

テーマ1 
「特捜、それは日本最強の捜査機関!」

法務省の特別機関である検察庁の中でも、地方検察庁の特別捜査部、いわゆる“トクソウ”は別格の存在。起訴権と逮捕権の両方をもち、世界でも他に類を見ないほど強い権力を誇る。

1976年に田中角栄を逮捕した「ロッキード事件」や2013年の「徳洲会事件」で知られるように、現役の大臣や知事、国会議員をも逮捕してしまうタブーなき捜査チームであり、これまで汚職にまみれた政治家や巨額の金が動く不正を暴き、正義の味方として国民から喝采を浴びてきた。だが、2010年に発覚した「大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件」のように、強い権力を持つゆえに捜査が行き過ぎてしまうことも。

「検察の理念」として掲げられる「常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない」という戒めは、現在も守られているのだろうか。

検察組織図

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第2回

MAKING「トクソウ」 2 緊張感みなぎる特捜会議をリアルに再現

特捜部に入った織田(吉岡秀隆)の前に立ちはだかる大きな壁、それが特捜のエースである鬼塚剛副部長だ。大物政治家の逮捕に執念を燃やす鬼塚を三浦友和が圧倒的な存在感で演じている。

1月13日、三浦が初めて現場入りした日の撮影では、栃木県庁の会議室を検察庁内に見立て、いまだに取材のカメラが入ったことのない特捜の捜査会議をリアルに再現した。スライドで映しだした捜査資料を読み上げる三浦に、部下の検事役の16人が真剣な表情で注目する。現場には実際の特捜会議さながらの張り詰めた空気が漂った。三浦は「この役は膨大な説明ゼリフとの戦いですね」と苦笑しながら、画面に映らないときも声だけの演技を買って出るなど、ベテランらしい気遣いを見せていた。役柄については「鬼塚の捜査方法はかなり強引で、チームプレーというより部下に自分の考えを押し付けていますね」と分析した。

一方、織田は新入りゆえに捜査会議でも立場が弱く、鬼塚のイエスマンである先輩検事たちから「黙っていろ」「調子に乗るな」と恫喝される場面も。演じる吉岡は、「おっかないですね(笑)。僕はもう立ち向かえません」と冗談交じりに弱音を吐き、スタッフたちを笑わせた。この撮影から主軸である織田と鬼塚の2人がそろい、検事たちが己の正義をかけて戦う物語が本格的に始動した。

場面写真

テーマ2 
「特捜の内部は軍隊のように厳格な組織だ」

東京地検特捜部には特殊直告班という花形チームがあり、そこでは鬼塚のような副部長が数十人の検事を率いている。そして、政治家が権力を悪用した収賄事件や大掛かりな談合事件などを独自の権限で捜査していく。通常、部下の検事たちは、上司の捜査方針に異を唱えることは考えられず、与えられた資料読み=ブツ読みを黙々とこなし、上司が描いたストーリーに沿って関係者の供述を取るしかない。まさに軍隊のような絶対服従が求められる組織なのだ。

原作者の由良秀之氏は「副部長や主任検事は、大物政治家を検挙して手柄を立てたいと功名心に走りがち。織田のようにそれを制止しようとする部下なんて実際はめったにいませんから、そのまま暴走してしまうこともあるんです」と特捜の古い体質にひそむ危険性を指摘する。

検察組織図

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第3回

MAKING「トクソウ」3 大手企業へ検察のメスが! 横浜ロケで撮影した強制捜査

第1話冒頭で展開する一斉捜査は、東京地検特捜部が大日本建設の談合を疑い、その本社でいわゆる"ガサ入れ"を行なう場面で、1月12日、横浜市のオフィス街で撮影された。

ビルの前には約30人のマスコミが待ち構え、カメラのフラッシュが光る中、井口(河野洋一郎)主任検事率いる特捜の面々が2列になって進んでいく。撮影監督の谷川創平はクレーンを使って高所からその模様を撮り、政界までつながる大捜査の幕開けを迫力ある映像で表現した。河合勇人監督も「多くの人は、特捜と言えば強制捜査の映像を思い浮かべるはず。それだけにリアリズムにこだわり、特捜部やマスコミの動きを取材で聞いたとおりに演出しました」と語る。

強制捜査のとき、検事たちは捜査先の近くにある公園やカフェで待ち合わせし、そこから歩いて到着。そして、差押許可状を示し会社内に入っていくのだが、ここで手に入れたダンボール数十箱分の資料は検察庁の執務室に運び込み、根気強くチェックしていく。そして、そこから重大な証拠が出てくることも。劇中では「稲瀬ダムN3000」と書いた謎のメモが見つかり、副部長の鬼塚はそれを手がかりに捜査の手を政治家にも伸ばそうとする。

場面写真

テーマ3 
「強制捜査は司法記者にとっても晴れの舞台」

実際に新聞記事やニュース映像などで華々しく報道される検察の強制捜査。だが、検察は捜査する会社や政治家に気づかれないよう事を運ぶのに、その一方で新聞・テレビ各社はいつ捜査が入るか知っていて現場で待ち構えているのはなぜか。

原作者の由良秀之氏はこう説明する。「特捜部はいくら捜査をしても、マスコミが取り上げてくれなければ功績を世間にアピールできない。そして、司法記者は検察が派手な捜査をしないと、一面を飾るスクープ記事は書けないから、検事側に情報をもらうしかないんです」。司法記者にとっても特捜のガサ入れは自分の仕事をアピールできる絶好のチャンスなのだ。

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第4回

MAKING「トクソウ」4 検事役のキャストが取り調べの場面で迫真の演技

第2話では、特捜がいよいよ大日本建設の会長以下4人を逮捕し、東京拘置所で事情聴収をすることに。捜査劇の舞台は世間から隔絶された取調室へと移る。

場面写真

1月15日、スタッフは東京・味の素スタジアムのバックステージ内に取調室のセットを作り、その中で緊迫感あふれる演技が繰り広げられた。主任検事の井口(河野洋一郎)、検事の鷺沼(深沢敦)、そして織田(吉岡秀隆)がそれぞれ別室で大日本建設の社員と机を挟み、「会長が県知事にワイロを渡した場面を目撃した」という証言を取ろうとする。鬼塚の要求のままに被疑者を脅し揺さぶる井口と鷺沼。演じる河野と深沢にとっても、このシーンは見せどころになり、2人の鬼気迫る演技を見つめていた河合勇人監督が思わず笑い出してしまったほどだった。

「もし自分がこんな検事に捕まったら嫌だろうなぁと思って」と河合監督。「ここでは検事たちをかなり悪者に描いていますが、それは特捜という組織が硬直していることの象徴なんです。そんな状況を織田というひとりの男が変えていこうとするので、組織で働く人が見たらきっと共感してもらえるのではないでしょうか」と作品のテーマについても語った。

テーマ4 
「起訴されたら人生終わり!? 裁判での有罪率は世界一の90%以上!」

日本の検察が起訴した裁判で有罪判決が下る率は90%を超え、世界にも類を見ないほど高い有罪率となっている。これについては、これまで特捜検察に取り調べられ実刑を下されてきた会社経営者や元官僚、国会議員たちも疑問を投げかけているが、まさに、ひとたび起訴されてしまったら人生がジ・エンドになりかねない。

起訴されるかどうかが決まるのも検事に事情聴収されたとき、どのように供述するかにかかってくる。取調室では被疑者の運命を左右するやりとりが行なわれているのだ。

東京拘置所の取調室
東京拘置所の取調室

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第5回

MAKING「トクソウ」5 真飛聖がホステス姿に! くノ一記者・智子が極秘潜入取材

本作のヒロインである新聞社の司法記者・桜井智子(真飛聖)。第3話では彼女の存在が物語を大きく動かすことに。司法記者クラブの中で数少ない女性であり、「女を使ってスクープを取る」とも噂される“くノ一”記者の智子は、ホステスに変装し大日本建設贈収賄事件のキーパーソンに近づいていく。

そのシーンが、2月11日、六本木のクラブで撮影された。智子役の真飛聖が白いドレスで現われると、宝塚トップスターのオーラを放ち、場の華やかさが一段とアップ。「私はずっと男役をやってきて、スカートを着る役はまだ3年目だから慣れないというか、すごく新鮮です。これまでこんなに肌の露出をしたこともなかったのに」と真飛は少し照れた様子。

場面写真

「河合勇人監督に、智子は仕事しているときは女を感じさせないけれど、元恋人である織田(吉岡秀隆)と一緒にいるときは、ふっと女性らしい雰囲気を出すと言われたんですが、そういう二面性を出すのは難しいですね」と初めての役どころで苦労した点も明かした。「智子と織田は大学法学部の同級生で、30代になった今も目指すところは同じ。昔、2人で語り合った夢は続いているんだと思います。私自身にも宝塚の仲間という志を共にした存在がいるので、そういう関係にはすごく共感できるんです」と笑顔も見せた。

そんな司法への熱い志ゆえに潜入取材をしてまで事件の真相をつかもうとする智子だが、その危険な賭けはどんな展開を引き起こすのか?

場面写真

テーマ5 
「戦いのもうひとつの舞台・司法記者クラブ」

原作小説のタイトルでもある「司法記者」。

新聞・テレビなど計19社が加盟する司法記者クラブでは、各社の司法ニュース担当記者が日夜、取材合戦を繰り広げている。2013年の徳洲会事件でも、「東京都知事が徳洲会から5000万円を受け取った」と報じた朝日新聞のスクープ記事が、都知事辞任の引き金となったのは記憶に新しいところ。

原作者の由良秀之氏は「司法記者は新聞社の中でもエリートぞろいの花形ポストですが、彼らがスクープを取らなければ今後出世できないというプレッシャーを感じているのも事実」とその実態を説明する。

司法記者クラブ組織図

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第6回

MAKING「トクソウ」6 司法記者クラブの実物大セットで殺人捜査が始まる

司法記者の世界でショッキングな殺人事件が起き、急展開を見せる第4話。犯人は記者の中の誰なのか…?

記者クラブに警察の捜査が入り、そこでどんな人間ドラマが繰り広げられていたのかが明らかになっていく。クラブの記者室は、美術と装飾のスタッフが5日間をかけて茨城県筑西市関城支所に設営した入魂のセット。各新聞社・テレビ局のブースとして仕切られ、それぞれ8畳ほどの記者出張室になっている。机の上や棚には膨大な資料やファイルが積み重ねられ、いかにも「タコ部屋」といった雰囲気。

美術の髙橋泰代は「実際に記者クラブに行って取材をし、詳細なデザイン画を何枚も書きました。装飾スタッフも奮闘してくれて、スクラップファイルは1000冊以上用意しましたよ」と大変な作業を振り返った。河合勇人監督も仕上がりに満足し「現役の記者が見ても本物だと錯覚するぐらいリアルに作りこみましたね。予算は相当オーバーしてしまったけれど(笑)」とコメント。

場面写真

談話室には霞ヶ関の司法記者クラブから好意で貸与されたロッキード事件の写真パネルが飾られ、まさに実物をそっくり移築してきたようなセットで、殺人の謎を解こうとするもうひとつの捜査劇が展開された。

場面写真

テーマ6 
「特捜検察?司法記者。夜回りで極秘接触!?」

司法記者は特捜検事に取材するとき、副部長以上にしか話を聞いてはいけないという基本ルールがある。智子(真飛聖)は情報を求めて副部長の鬼塚(三浦友和)に何度か接触したが、鬼塚が一日の業務を終え神社に寄ったときに待ち伏せしていた場面も。さらに第3話では官舎に帰宅した織田(吉岡秀隆)に、記者の佐々野靖之(吉沢悠)が声をかける。これは"夜回り"と呼ばれる非公式の取材で、実際に慣習的に行なわれている。

原作者の由良秀之氏は「夜回りは司法記者の通過儀礼のようなもので、新人記者は毎晩、雨の日も風の日もそれを続ける。それでやっと検事から『お前も大変だな』ということで、声をかけてもらえるようになるんです。そこではひたすら待ち続ける体力が求められるわけで、結局、司法記者も特捜と同じ軍隊のようなシステムということですね」と語る。

知られざる検察のリアルがここに!「トクソウ」の舞台裏 第7回

MAKINGトクソウ7 織田VS鬼塚。最後にはどちらの正義が勝つ?

場面写真

次回はいよいよ最終話。
鬼塚(三浦友和)は悲願である大物政治家を逮捕の実現できるか?その暴走を止めようとする織田(吉岡秀隆)は、冤罪の決定的な証拠をつかめるのか?そして殺人事件の犯人は?ついに全ての決着が着く。

40日間この作品に集中し、2月22日にクランクアップを迎えた吉岡は「印象に強く残っているのは、第4話、ダムで鬼塚と対決するシーン」と振り返った。「やはり最も緊張感がありましたね。あの場面で、鬼塚を全否定するようなセリフを、三浦さんはじっと黙って受けとめてくださいました」と改めて三浦をリスペクト。「雪も残っていてすごく寒かったけれど、緊張感がなくならないうちに撮影がスタートしたので、助かりました」とも。河合勇人監督、第4話を演出した滝本憲吾監督も「雪が降ったのは正直、予想外でした。でも、白い雪が織田と鬼塚の対決を絶妙に盛り上げてくれて、検察という組織の厳しさを描くこのドラマに冬の景色は合っていたと思います」と振り返る。

場面写真

吉岡は結末について「観ている方は最初は織田の視点から物語に入っているので、鬼塚のしていることをとんでもないと感じていると思います。でも話が進んでいくと、最終的には鬼塚の味方になるんじゃないでしょうか。」と意味深な発言も。最終話で織田と鬼塚の運命はどう交錯していくのか?

ぜひラストシーンまで目撃してほしい。

場面写真

テーマ7 
「政治とカネ~バッジに手は届くのか?」

劇中では鬼塚が与党の幹事長を検挙しようとするが、会期中の国会議員には「不逮捕特権」が憲法で認められているため、逮捕に至るまでには内閣や議会の承認など、いくつもの高い壁を超えなければならない。被疑者が有罪である証拠はもちろん、逮捕に反発する政界との駆け引きも必要になってくる。

原作者の由良秀之氏は「実現するまでのハードルが高いだけに特捜部も証拠固めを慎重にやるのですが、ときどき、2009年の陸山会事件のように、そのハードルが異常に低い位置まで下がってしまうことがある」と指摘。「それこそが検察の暴走であり、そうして一度失った信頼はなかなか回復できないもの。検察も近年、さまざまな改革を試みてきましたが、悲惨な状態からは脱却できていない。だからこそ今、特捜をリアルに描いた本作を放送する意味があると思います」と、ドラマ化の意義を改めて語った。

場面写真

特捜が国会議員を逮捕するまで

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