25th

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吉田羊 インタビュー


                  「日本でもこんな良い作品を作れるんだ」と世界中のドラマファンを驚かせたい

米国版へ敬意を持った上で繊細さや丁寧さを加えた

未解決事件の捜査チームを描いた世界的人気ドラマの日本版がいよいよ放送開始となる。撮影終了後、主演の吉田羊に話を聞いた。 「主演のオファーをいただき、嬉しくもあり驚きもありました。でも、米国版を見たら、主役のリリー・ラッシュを演じるキャスリン・モリスがとてもキュートで。日本版で私がキャスティングされていいだろうかって、不安になりました」

その懸念を払拭したのは、緻密に練り上げられた脚本だった。 「米国版とは違う雰囲気で、全く別の日本のドラマのように繊細で丁寧に描かれていたので、新たな主人公の石川百合という役をいただいたんだと思うことにしました」

「人は忘れられない何かを持っている」という作品のテーマは、日本版でも大事にされている。 「米国版は、すごくドライなんですよね。ウェットな感じがない。そこに心地良さを感じましたが、日本版は被疑者の心の影に一歩踏み込んでいるんです。それが日本版ならではのアプローチだと思います。その分、陰鬱な雰囲気は増しているんですが(笑)」

吉田演じる女刑事・石川百合も被疑者と向かい合う中で葛藤する。 「百合は幼い頃のトラウマから心の闇を抱えながら生きている。だから、境遇の似た被疑者と対峙すると、やっぱりもろさが出てしまう。ただ、演じる上では、弱さを抱えていたとしても私は強く生きていきたいんだ、という百合の気持ちを表現したいと思いました」

良い作品を真摯に作れば見ている人に必ず伝わる

百合を囲む捜査一課の顔触れも一筋縄ではいかない骨太な面々だ。 「お互いに弱さを知りつつもリスペクトし合っているところは米国版と一緒です。永山絢斗さん、滝藤賢一さん、光石研さん、そして三浦友和さん。それぞれが演じる登場人物全員が内面に重たいものを抱えている。その背景は今回は少ししか描かれていないのですが、今後続編があるなら、それも見どころのひとつになるでしょうね」

吉田も信頼する共演者たちとの撮影では、作品の完成度を高めるための創意工夫が重ねられた。 「ユーモアやジョークの感覚が異なるので、米国版で使われた台詞でも、日本人が言ったら違和感がある場合があり、どう扱うか現場でかなりディスカッションしました」「ワンカット撮影が多かったので、テンポ感も出ていると思います」

もうひとつ特筆すべきは、この作品のために集まったスタッフたちの尽力だ。吉田は彼らのことを“奇跡のチーム”と呼ぶ。 「映像も美術も、かなりリアルに作り込んでいます。いい意味でこだわりを持ってモノ作りをしている。それが居心地良かったし、こんな現場でずっとやっていきたい」

役柄にもとことん向かい合った。 「これまで私は演じていても、役をひきずることはなかったんです。今回は、どこまでが私で、どこからが百合なのかわからなくなるくらい入り込みました。最終回のラストシーンを撮り終えてから、しばらく立ち上がれなかったほどです」

そのひとつひとつの言葉から、撮影の確かな手応えが伝わってくるようだ。
最後に、彼女は作品に込めた自らの想いを真摯に語った。
「日本でもこんな良い作品が作れるんだと、世界中のドラマファンを驚かせたい。そして、また百合として戻って来たい。このチームでこのドラマを作り続けたいですね」

よしだ・よう

2月3日生まれ。福岡県出身。
舞台女優として活躍後、連続テレビ小説「瞳」「純と愛」などに出演し、高い評価を得る。2014年に月9ドラマ「HERO」に出演し、人気を不動のものにする。『映画 ビリギャル』('15)で、第39回日アカデミー賞の優秀助演女優賞を受賞。本作で連続ドラマ初主演を果たす。

撮影=永田忠彦/取材・文=南里憲孝/スタイリスト=梅山弘子/ヘア&メーク= 酒井啓介(MARVEE)/衣装協力=ジャケット、パンツ(共にBEIGE,/オンワード樫山)、
トップス、ベルト、靴(すべてスタイリスト私物)