映画

ティエリー・トグルドーの憂鬱

厳しい現実の中でもがき苦しむ中年男を名優Ｖ・ランドンが好演して第６８回カンヌ国際映画祭男優賞などに輝き、フランスで１００万人の観客を動員した痛切な社会派ドラマ。

会社のリストラで失業し、1年半のつらく苦しい就活期間を経て、やっと再就職できたものの、そこでも厳しい社会の現実を目の当たりにし、苦悩と憂鬱を募らせる中年男のティエリー。「シャンボンの背中」「母の身終い」に続いて、S・ブリゼ監督とみたびタッグを組んだ名優ランドンが、今日、世界中の至るところで見られる、そうした普遍的な人間像を等身大でみごとに好演。第68回カンヌ国際映画祭男優賞に加え、第41回セザール賞主演男優賞にも輝き、地味な題材の小品ながらフランスで異例のヒットを記録した。